ウォリスの公式


 


問題 次のことを示し、この積分の値を求めよ。


  


【解】


n=0のときは、右辺、左辺の積分の値は


  


となり、等式が成立する。


 


nが正の整数の場合。


x=π/2−tとおくと、x=0π/2にはそれぞれt=π/20が対応し、dx=−dtである。


したがって、


  


 


ゆえに、


  


 


n=1のとき、


  


 


n≧2のとき、


  


よって、


nが偶数のとき


  


nが奇数のとき


  


 


ゆえに、


nが偶数のとき、


  


nが奇数のとき


  


(解答終)


 


上の結果から、次の公式を得ることができる。


nを正の整数とするとき


  


 


この公式(Wallis積分)を用いると、次のWallisの公式を得ることができる。


 


Wallis(ウォリス)の公式


  


【証明】


nを正の整数とするとき、0<x<π/2において、


  


が成り立つ。


したがって、


  


辺々をで割ると、


  


ここで、漸化式


  


を用いると、


  


になる。



だから、ハサミ打ちの定理より


  


となる。


(1)、(2)より、


  


n→∞の極限をとって、


  


(解答終)


 


(3)より、