続・ヒドイ解答


 


ddt³さんから次の問題を頂いた。


 


問題1 2yxy0   (1)


で、xが任意の実数を動く時のyの範囲を求めよ.


 


http://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2018-03-13


 


ということで、問題1を掘り下げてすこし考えてみた。


 


問題2 実数の定数aを含む次の2次方程式がある。


  x²+2ax+a=0   (3)


この方程式が実数解を持つ条件を求めよ。


 


問題2の場合は、aは実定数で動かないから、判別式を使って


  D/4=a²−a=a(a−1)≧0


だから、


  a≦0またはa≧1


と解くのはもっともなこと。


 


しかし、問題2の場合、aは実定数で固定されているけれど、問題1の場合、yxの値に応じて動きますからね〜。


それに、


  x²2yxy0   (1)


は、xの2次方程式じゃなく、xyの2次方程式だし(^^


 


(1)をxの2次方程式として解くためには、y=aaは実定数)とyの値をaにひとまず固定し(補足)、


  x²+2ax+a=0   (3)

と直してから、(3)が実数解を持つのは、


  D/4=a²−a=a(a−1)≧0


  ∴ a≦0またはa≧1  (4)


と解くのが筋ですわね〜。


そして、{a∈R|a≦0またはa≧1}の任意のaに対して方程式(3)は実数解を持つし、y=aだから、


  x²2yxy0   (1)


が実数解xを持つ条件は


  y≦0またはy≧1  (4’)


なんじゃねぇ〜。


 


(補足)


y=aで固定すると、(1)はx²+2ax+a=0xの2次方程式になり、この方程式を満足する実数解x₁x₂(重解のときはx₁=x₂)があれば、求めることができる。右図参照。



 


y=aで固定する」ではなく、「yを固定し、(1)をxの2次方程式と考えると・・・」でもいいですが・・・。


yをひとまず固定し考える」という、この、わずかばかりの文言の使用を惜しむから、何をやっているかわからない解答になるんだケロよ!!


 


このように2次方程式の判別式を使って解くのであれば、いいと思いますけれど、


パブロフのイヌのように条件反射的に2次方程式の判別式を使って解くのは、いただけませんね〜。


(何より、参考書などの解法に忠実な)イヌだから、少し突っ込まれると、すぐにシドロモドロになり、わけのわからないことを口走ったりする。それで終わればまだ可愛いけれど、「こんなこともわからないのか!」、「理屈じゃない、この問題はこうやって解くんだ」と逆ギレまでする始末。救いようがないケロ(^^ゞ


 


さらに、もう一曲!!




ちなみに、曲線の正体は双曲線。


 


単に、この問題を解くだけならば、


  


y=0のとき、(1)はx²=0だから、x=0


y=1のとき、(1)はx²+2x+1=(x+1)²=0だからx=−1


などと解くことだってできだろう。


 ――この問題に関しては、2次方程式の判別式なんてそもそも不要!!――


 


しかし、これじゃ〜、(曲線の)方程式x²+2xy+y=0の具体的なイメージがつかめないから、ダメだと思うにゃ。


だから、ここは泥臭く、(1)をxについて、


  


と解くのが一番だね。


(高校の数学教師ならば、「yを1や2と同じ数だと思って、xについて解いてご覧」と言うべき)


そうすれば、根号内≧0の条件から


  


がすぐに出てくる。


(高校の数学教師ならば、「根号内が負になると、xは実数でなくなるよね。だから・・・」と言うべき。そうすれば、質問にきた生徒さんは、「あ〜、なるほど」と納得するに違いない。さらに、「根号内って、判別式と関係があるんじゃなかった?」と言えば、申し分なし。生徒自身にこうしたことを気づかせ、発見させるように、丁寧に、やさしく導くべきだケロ!!)


しかも、具体的なyの値を入れて計算することによって、xyとともに変わるということだってわかる。


 ――yについて解く場合については、ddt³さんが書いてあるので、そちらを見るにゃ(^^)――