3次関数と変曲点
問題1 f(x)=x³+3x²−4x−6とするとき、関数y=f(x−a)+bのグラフの変曲点が原点に一致するようにa、bの値を定めよ。
【解】
(−1,0)を原点(0,0)と一致させるためには、x軸の正の方向に1だけ移動させれば良いので、a=1、b=0である。
f(x)=x³+3x²−4x−6をx軸の正方向に1平行移動させた関数をg(x)とすると、
そして、g(x)は
y=f(x)の変曲点が原点になるように変換、平行移動したのだから、これは当たり前。
そして、このことから、y=f(x)がその変曲点(−1,0)に関して対称であることが分かる。さて、このことが一般の3次関数y=f(x)=ax³+bx²+cx+d(a≠0)について言えるのか、つまり、3次関数は変曲点に関して対称なのか、このことを確かめたい。
問題2 3次関数y=f(x)のグラフはただ1つの変曲点をもち、その変曲点に関して対称であることを証明せよ。
【解】f''(x)=0を解くと
であり、x=αの前後でf''(x)の符号が変化するからA(α,f(α))は変曲点である。
そして、この点以外でf''(x)の符号が変わることはないから、3次関数の変曲点はAただ一つである。
Aが原点に来るように座標軸を平行移動すると、新座標軸XAYに関して曲線の方程式は
したがって、y=f(x)は変曲点Aに関して対称である。
(証明終わり)3次関数のグラフは変曲点に関して対称であることが証明された。
問題3 3次関数f(x)=x³+3ax²+3bx+cがx=αのとき極大、x=βのとき極小になるとき、
(1) f(α)+f(β)をa、b、cであらわせ。(2) y=f(x)の極大になる点、極小になる点をそれぞれA、Bとすれば、線分ABの中点Mはこの曲線上にあることを証明せよ。
【解】
(1)
(2) A、Bの中点をM(p,q)とすると、
(解答終了)
この関数の変曲点を求めると、
つまり、変曲点は、上で求めた極大点Aと極小点Bの中点である。