対数微分法


非零の値をとる微分可能なxの関数uvがある。

その積をy=uvとおき、この絶対値
  

両辺の対数をとると

  

両辺をxで微分すると
  

両辺にyをかけると

  

となり、積の微分の公式が得られる。

また、y=u/vとおき、この両辺の対数をとり、さらにそれを微分すると

  

と商の微分公式が得られる。

このように、関数の対数をとって、さらに、微分する方法を対数微分法という。



問題1 次の関数を微分せよ。

  

【解】

両辺の対数をとり、微分すると

  

(解答終わり)

問題2 次の関数を微分せよ。

  

【解】

両辺の対数をとり、微分すると、

  

(解答終わり)

 


問題3 次の関数を微分せよ。

  

【解】

両辺の絶対値をとり、さらにその対数をとる。

  

微分すると、

  

(解答終わり)

以上のことから、

  


絶対値をとるのは、対数の真数となるyが負になることがあるから。対数の真数は正の数でないとならない。

なお、

  

であることは、合成関数の微分を使って次のように示すことができる。

x>0ならば

  

x<0のとき

  

だから、

  

を求めればよい。

そこで、u=−1とおき、合成関数の微分を使う。

  

x>0x<0のときでも、

  

が成立し、したがって

  

である。

そして、このことから、

  

という積分公式が得られる。



問題4 次の微分をせよ。

  

【解】

  

とおき、両辺の絶対値の対数をとると

  

両辺をxで微分すると、

  

(解答)



問題4のように微分する関数が複雑な積の形で与えられているときに対数微分法は有効な計算方法。