§1 開球
距離dを決めることが可能な集合Xがあって、a∈Xとする。さらに、εを正の実数とする。
このとき
dを通常の距離(ユークリッド距離)とすると、一次元だと、開球は
開球に球という言葉がついているけれど、これはいわゆる三次元の球体、たとえば、原点を中心とする半径rの球
1次元、2次元、3次元といった次元から離れたもっと一般的な球で超球。
2次元で、デカルト直交座標系における点aの座標を
とすると、
同様に3次元ならば、
そして、これから話す内容は、次元や距離の決め方の違いを超えたもっと一般的な話。
また、この開球
§2 集合の内点
A⊂XというXの部分集合があるとする。
a∈Aに対して
たとえば、A=(0,1)⊂Rという開区間、つまり、0<x<1、より正確に書くならば
このとき、任意のa∈Aに対して
仮に、a=1/4にすると、ε=1/4だから
このことから、1/4は(0,1)の内点ということになる。
では、閉区間[0,1]、つまり、0≦x≦1の内点はどうなるか。
(0,1)⊂[0,1]だから、a∈(0,1)が[0,1]の内点であることは、先にやったことから明らかだろう。
すると問題になるのは、a=0とa=1。
もし、[0,1]に属するとすれば、
よって、a=0は[0,1]の内点ではない。
では、a=1はどうか。もしa=1が[0,1]の内点だとすると、
もし、なるとすれば、
よって、a=1は内点ではない。
ということで、
[0,1]の内点は(0,1)ということになる。
Aの内点の集まりをAの開核やAの内部とかいって、記号で
これは、i:A→Aという写像にみなすことができるので。
つまり、
ちなみに、
以上のことから、(0,1)は[0,1]の内部だ、開核だということになる。
そして、
次回により詳しくやるけれど、
となる集合を開集合という。
そして、開集合の補集合を閉集合と呼ぶ。
で、[0,1]は閉集合。
何故、[0,1]が閉集合になるかといえば、(−∞,0)∪(1,∞)が開集合で、[0,1]はこの補集合になっているからだ。