お前らに質問(関数列の収束 1月13日)の解答例


 


 


定義 (一様収束)


関数列と関数f(x)Iで定義されているとする。


任意の正数ε>0に対して、ある自然数N(ε)が存在して、任意のx∈Iと任意のn≧N(ε)に対して、


  


を満たすとき、関数列一様収束するという。


 


定理 (一様収束の必要十分条件)


関数列I上で関数f(x)に一様収束する必要十分条件は


  


 


この定理を一様収束の定義にするものもある。


 


ここに出るなる記号は、x∈Iにおけるの上限を表すのだけれど、「上限なんてわからない、知らない」というヒトは、とりあえず、x∈Iにおけるの最大値(のようなもの)だと思って欲しい。


 


 


問題1 x≧0とするとき、次の関数列は一様収束か。



【解答例】


(1) とおくと、


x=0のとき、


x>0のとき、


  


よって、関数列の極限関数f(x)は、


  


の増減を調べるために微分すると、


  


よって、x=1/nのときに、は極大かつ最大で、その最大値は


  


ゆえに、


  


したがって、は一様収束でない。


 


(2) とおくと、


x=0のとき、


x>0のとき、


  


したがって、極限関数f(x)


  


の増減を調べるために、微分すると


  


よって、のときに極大かつ最大で、最大値は


  


したがって、


  


ゆえに、は一様収束。


(解答終)


 


(1)は、


ε=1/eとすると、どんな自然数Nを与えても、x=1/Nにとると、


  


となるのでは一様収束でない


としてもいい。


 


 


 


問題2 次の関数列は一様収束か。


  


【解答例】


x=0のとき、だから、


  


x>0のとき


  


したがって、極限関数f(x)


  


また、


  


なので、x≧0f(x)に各点収束するが、一様収束しない。


(解答終)


 


【別解1】


ε=1/eとすると、どんな自然数Nを与えても、x=1/Nにとると、


  


よって、は一様収束でない。


(別解1終)


 


別解1では、x=1/Nとしているけれど、x=2/Nにとってよい。


このとき、


  


になるので、自然数Nをどんなに大きくしても、ある一定の正の実数(この場合は1/e²)を決して下回らない点が少なくとも1つx≧0に存在することを示せれば、それだけで問題2の関数列が一様収束でないことの証明で十分なんだケロ。


 


 


【別解2】


に属するx≧0で連続であるが、極限関数f(x)x≧0において連続でない。よって、はx≧0において一様収束でない。


(別解2終)


 


定理


連続関数列Iで極限関数f(x)に一様収束するならば、f(x)Iで連続である。


 


この定理から、が連続で、極限関数f(x)が連続でなければ、は一様収束でないことになる。
そして、問題1の(1)は極限関数が連続なのでこの定理は使えないけれど、一様収束か否かを問う多くの問題は、この定理で片がつくのであった(^^)。


 



 


この他に、一様収束の定義にしたがって、


x>0のとき、


任意のε>0に対して


  


したがって、


任意のε>0に対して


  


とすると、


  


よって、は一様収束でない


とすることもできる。