関数の連続と微分可能性に関係する問題


 


問1


任意の実数x,yに関して、関数fは次の関係を満たす。


  


次の問に答えよ。


(1) f(0)の値を求めよ。


(2) f(−x)=−f(x)が成り立つことを示せ。


(3) 任意の整数nに関して、次の関係が成り立つことを示せ。


  


(4) nを整数、m0でない整数とするとき、次の関係が成り立つことを示せ。


  


(5) 関数fが連続であれば、


  


であることを示せ。


【解】


(1)


  


 


(2)


  


 


(3) n=1のとき、f(x)=f(x)だから成立。


n=kのとき、f(kx)=kf(x)と仮定すると、


n=k+1のとき、


  


よって、すべての自然数nに関して


  


また、n=0のとき、f(0)=f(0)だから、成立。


nが負の整数のとき、


  


とおくと、


  


よって、任意の整数nに関して


  


 


(4) m≠0の整数とすると、


  


したがって、


  


 


(4) fは連続で、かつ、すべての有理数の点x=n/m


  


が成立するので、任意の実数x


  


(解答終)


 


問2


任意の実数x,yに対して、


  


で、かつ、関数fが点x=0で連続ならば、fは実数全体の集合Rで連続で、かつ、となることを示せ。


【解】


関数fx∈Rの各点xで連続であることを示せば、問題1よりf(x)=f(1)xとなる。


  


関数fは点y=0で連続だから、


  


(解答終)


 


 


問3


任意の実数x,yに対して


  


である関数fは、点x=0で微分可能ならば、x∈Rの各点xfが微分可能であることを示せ。


【解】


h≠0とすると、


  


関数fは点x=0で微分可能だから、


  


が存在する。


したがって、任意のx∈Rに対して、


  


となり、関数fRで微分可能である。


【解答終】


 


なお、


  


で、f(0)=0だから、


  


になるんですが・・・。


 


問4 Rで定義された関数fは、任意の実数xyに対して


  


を満たし、f(x)=0にならないとする。関数fが点x=0で微分可能ならば、fは任意のx∈Rで微分可能であることを示せ。


【略解】


  


だから、任意のx∈Rに対して


  


よって、任意のx∈Rfは微分可能。


(略解終)


 


問5 問4でf'(0)=1とした関数f(x)はどのような関数になるか。


 


 


 


ここまでは、ほんの小手調べ。


関数f


  


と等号「=」で結ばれていたから、簡単だった。


 


では、次の問題に挑戦してもらいましょうか。


 


問題


実数全体の集合Rで定義された関数fがある。


任意の実数xyに対して、


  


を満たし、f(0)=0、かつ、点x=0で連続(微分可能)であるとき、fRで連続(微分可能)であることを示せ。


 


できたら、


関数fx=0で連続であるとき、微分可能であるときの両方を解いて欲しいのだけれど、


連続の場合だけでもいいにゃ。


 


ノーヒントだと辛いだろうから、少し、ヒントを出してやるにゃ。


(1)式をあれこれ弄(いじ)くりまわし、


  


といった式を、何とか、ひねり出すにゃ。


すると、点x=0で連続だから、


  


となり、ハサミ打ちの定理より


  


になる。