ヤコビの楕円関数
0<k²<1ならば、次の積分は
は、単調な微分可能なφの関数となる。この積分をヤコビの楕円関数という。
いま、(1)をu=F(φ)とし、この関数のグラフについて考える。
より、0≦φ≦π/2では下に凸、π/≦φ≦πでは上に凸となる。
ここで、
とおけば、次の関係が成立する。
したがって、u=F(φ)のグラフは次のようになる。
問 (3)、(4)が成立することを示せ。
【証明】
(1)
右辺第2項の積分に対して、t=π−xとして置換積分すると、
したがって、
(2)
右辺第2項の積分に、t=x−πとして置換積分すると、
よって、
(証明終了)
【註】
と表すのが一般的であるが、議論を容易にするために、パラメータ(母数)kを省略した。
u=F(φ)の逆関数を
で表し、これをuの振幅という。この振幅の正弦と余弦を
で表す。
この定義から、
(4)より次の関係が成立する。
が成り立つから、sn uとcn uは4nKを周期とする周期関数である。また、sn uは奇関数、cn uは偶関数である。
(下図参照)
次に振幅am uの導関数を考えると、
となるが、これをdn(u)で表す。すなわち、
したがって、snとcnの導関数は次のようになる。
さらに、