ネムネコからの簡単な(じゃないかもしれない)物理の問題


 


数学に関する問題ばかりじゃ〜、飽きてしまうに違いないと考え、物理学の熱力学の素朴な質問をひとつするにゃ。


 


右の図に示すように、断面積Aで長さ(?)l₀のシリンダーの中に空気が入っているにゃ。


それを一瞬のうちに、目にもともらぬ速度(光速の1/1000のくらい速度くらいかな)でlまで一気に圧縮させるケロ。


この圧縮を受ける前のガスの圧力はP₀としよう。


さて、このとき、シリンダーの中に空気は、外からどれだけの仕事(エネルギー)Wをもらう、あるいは、外からどれだけの仕事をされるでしょう。


(注意:圧縮されるときW>0!!)


一応、断熱、外とシリンダーの中の気体の間に熱の出入りはないとするにゃ。


 


これとは別に、ナメクジが這う速度よりも遅い、ごくごくゆっくりとした速度でシリンダーをl₀からlの長さまで圧縮させるにゃ。つまり、熱力学などでいう静的な変化をさせるにゃ。


この時、外からされる仕事の量をW’とすると、目にも止まらぬ速度で圧縮したときの仕事WW’はどちらが大きいでしょう。


断熱圧縮だから・・・なんて難しいことなんて考える必要はないケロ。


でも、こういう正確な計算をしたいという酔狂なヒトもいるかもしれないので、計算できるようにヒントを与えておくにゃ。


  


1.4乗は計算しづらいというヒトは、


  


でいいにゃ。


WW'の大小関係を示せばいいので、ドッチでもいいにゃ。


 


高校の物理で習ったであろうPV線図を使って考察してもよし。


 


ちなみに、どうして、光速の1/1000の速度で圧縮するかというと、特殊相対論をこの問題にもち込ませないためで、また、「あっ、外から押された。負けずに押し返さないと」と、シリンダー内の空気くんに変化を気づく暇を与えず、一気に圧縮するため。


ごく一部の空気くんはこの変化に気づくかもしれないけれど、圧力波(圧力の変動)というのは音速、つまり、大体340m/sくらいの速度で伝わるので、光速の1/1000くらいの速度で圧縮すると、ほとんど全ての空気くんは気づかないと思うにゃ。


 


そりゃ〜、分子運動論的な観点からすると、これはおかしな仮定だけれど、これは物理的な思考実験ということでそこのところは大目に見るにゃ。


要はこの変化が準静的でなければいいのだけれど、この条件では計算ができなく、定量的な比較ができない。それで物理的には問題があるけれど、計算しやすいように、この大胆な仮定を入れたんだにゃ。


 


「こんなのチョロい」というヒトは、


シリンダーの中の空気の(内部)エネルギーの変化をΔEとすると、熱力学の第1法則の正しい関係は、(1)、(2)のどちらか?

  


ここで、等号成立は準静的変化の場合。


 


熱力学の第1法則を


  


と丸暗記した奴には絶対に解けない問題だと思うにゃ。


 ――なぜ、2番目の式の右辺だけ全微分をあらわすdじゃなくて、Δのままなのだろう。不思議だケロね〜(^^)――


だから、自分の頭でよく考えて、(1)、(2)のうちから一つ選ぶにゃ。


 


 





ここで使われる数学は高校数学レベルだにゃ。現象を正しく理解できれば、使うのは比例と反比例くらいのものだから、小学校の算数レベルの数学的知識しか必要としていないと思うにゃ。