20回 斜交座標とベクトル


 


空間に1次独立の3つのベクトルeeeがあるとする。ただし、このいずれも零ベクトルでないとする。このとき、順序付けた基底という。また、空間中の任意のベクトルA


  


eeeの1次結合であらわすことができる。この係数を縦に並べたをベクトルAの基底に関する反変ベクトルという。


 


の9個の内積


  


を成分とする行列計量行列という。


  


が成り立つので、計量行列は対称行列である。


また、


  


だから、のなす角度をとすれば、


  


である。


 


2つのベクトルをとると、


  


計量行列は対称行列なので、ベクトルAとベクトルBの内積は


  


となる。


 


行列の逆行列、すなわち、


  


とすれば、が対称行列なのでであるである。


また、


  


であるから、


  


ここで、記号はクロネッカーのデルタ


  


である。


 


ベクトルAの次の3つの内積


  


を作り、これを横に並べた


  


をベクトルAの基底に関する共役成分という。


 


2つのベクトルの共役成分をそれぞれ(A₁,A₂,A₃)(B₁,B₂,B₃)とすれば、


  


同様に、


  


内積は交換法則AB=BAが成立するので、


  


と、内積ABは反変成分と共変成分であらわすことができる。


 


ベクトルの共役成分は


  


で与えられるので、同様に


  


が得られる。


これは反変成分と共役成分との関係を与える。


の両辺にをかけて、jについて和をとれば、


  


したがって、


  


も共役成分と反変成分の関係を与える。