ベクトル関数の発散


 


ベクトル関数A(x,y,z)xyz成分をとする。すなわち、


  


とする。


このとき、


  


をベクトル関数A発散と言い、記号


  


などであらわす。


すなわち、


  


である。


 


ハミルトン演算子∇は


  


だから、ベクトル関数Aの発散∇・A


  


と、ハミルトン演算子∇とベクトル関数Aの内積と考えることができる。


 


 


問1


  


の発散を求めよ。


【解】


  


(解答終)


 


 


問2 原点に対する位置ベクトルをrとするとき、次の発散を求めよ。



【解】


(1)


  


だから、


  


 


(2) x成分をとすると、


  


同様に、


  


よって、


  


(解答終)


 


なお、


  


は暗記物!!


 


 


ベクトル関数A


  


の発散は、


  


である。


  


と書き、


  


とおけば、これは微分演算子∇²φに作用させたものと考えることができるから、




²をラプラス演算子、ラプラシアンと呼び、∇²のかわりに記号Δを使うこともある。


また、微分方程式


  
ラプラス方程式と呼ばれ、これを満足する関数を調和関数という。


 


 


問3 原点からの距離をrとすると、


  


であることを示せ。


【解】


  


同様に、


  


したがって、


  


問2より


  


よって、


  


(解答終)


 


問3より、


  


は、ラプラス方程式∇²=0を満たすので、調和関数である。


 


問題 φrのスカラー関数であるとき、


  


であることを示せ。