第30回 一様収束と順序の交換

 

 

定理

有界閉区間[a, b]で連続な関数列[a, b]上でに一様収束すれば、

が成り立つ。

 

前回、少しだけ話したこの定理を証明するにゃ。

 

【証明】

一様収束なので、

となり、

 

[a,b]で連続だから[a,b] で積分可能。また、[a,b]上でに一様収束するので、f[a,b]上の連続関数となり積分可能。

あと、

という積分の性質を使っているケロ。

 

ε-δ論法を用いた証明がよければ、

一様収束するので、

よって、

となり、

 

ということで、

[a, b] で連続かつfに一様収束するならば、

が成立するんだにゃ。

 

この定理の有り難味はちょっとわかりづらいかと思うんだけれど、

例えば、

というのは、xが実数全域でf(x) = 0 に一様収束するのだから、積分なんかする必要もなくて、

であることがわかるんだケロ。

 

でも、まぁ、この定理は、積分の計算で実用的というよりも理論的な意味で重要な定理ではあるんだけれど・・・。

【宿題】 次の式で定義される関数列が一様に収束することを示すケロ!!

 




定理

[a, b] 上の級の関数列が関数fに各点で収束し、さらに[a, b] 上で一様収束するならば

が成り立つ。

【証明】

gに一様収束、c ∈[a, b] で固定する。級なのでは連続であり、微積分の基本定理より


fに各点で収束し、gに一様収束するので、


は連続なのでは微分可能であるから、も微分可能で

となる。

 

微分の場合は、が各点収束し、が一様収束する必要があるんだケロ。

 

例を挙げてみると、[0,1] 

これは、微分すると

これが0に一様収束であることは前にやったにゃ。
で、


f(x) = 0 に各点収束するので、この定理が使えるんだケロ。

一体、何をやっているんだって話になるんだけれど(ポリポリ)。

 

今回は、純粋に理論的な話だと、諦めてくんな。

[0,1] で、n→∞のとき0に収束することは、

からわかるケロ。