第29回

 

定義域 [a, b] a ≦ x ≦ b)で定義されるという関数列があり、これが[a, b] 上でになるのだったら、

が成立するかどうかという話だにゃ。

 

とすると、これはが実数全域で f(x) = x に各点収束することは前にやったにゃ。

試しに、計算すると、

となり、この場合は、①が成立しそうだにゃ。

 

じゃぁ、常に①が成り立つ?

問題 [0,1]で定義される

は、

が成立するか?
【解】

この関数列の極限関数f(x) 

より、f(x) = 0 

よって、

となる。

だから、一般に①は成立しないんだケロ。


ちなみに、

ね。

置換積分を使うならば、

とかやればいいにゃ。

 

そして、も、一様収束でなく各点収束なんだにゃ。

つまり、各点収束の場合、①式が成り立つ場合もあれば、成り立たない場合もあるということだケロ。


【宿題】 [0,1]で定義される

は一様収束でなく、各点収束であることを示すケロ。

と宿題を出したいところだけれど、どうせ、やんないだろ(ポリポリ)。

をxで微分すると

このことから

で極値をとる。

これは奇関数だから、x ≧ 0 だけで十分なんだけれど・・・。 

だから、

となって、これは一様収束ではなく、各点収束である。

収束の様子は


みたいな感じ。

nの値を大きくすると、全体的にに収束してゆくけれど、を大きくすればするほどピークが高くなってしまうので、一様収束にならないんだケロ。

 

グラフを書いてみて気づいたんだが、きれいな絵だ。
こういう図を見て感動を覚えない人は、数学を必要としない人だと思う。

 

関数列が一様収束だと、

は、必ず成り立つんだけれどね。

 

微分の方は一様収束でも

は成り立たないんだけれど。
微分の方が強い条件がいるんだケロ。

例 [0,1]で定義された

これは、極限関数がで一様収束するのだけれど、

x = 1 のところで、②式は成立しない!!