お前らに質問(12月16日 数列の極限)の解答例


 


 


問題1 数列が収束しないとはどういうことか。その定義を記せ。


【解答例】


  


を否定すると、


  


すなわち、


どんな実数値αに対しても、ある実数ε>0が存在し、任意の自然数Nについて、


  


となる自然数nが(少なくとも1つ)存在する、こと。


(解答例終)


 


命題「pならばq」の否定は、


  


pかつqでない」だから注意するにゃ。


 


さらに、高校の数学で、


「すべての◯」(∀◯)の否定は「ある◯」(∃◯)、「ある△」(∃△)の否定は「すべての△」(∀△)


って習ったはずだから、この規則にしたがえばいいにゃ。


 


そうすれば、(1)の否定である(1’)が得られる!!


 


ちなみに、


数列の極限の定義(1)は、「数列の極限値は、それが存在すれば、ただ1つに限る」とまでは主張していない。「そんなものがあるとすれば、すくなくとも1つはある」としか言っていない。


したがって、極限値が1つに限るということは、定義(1)などから証明すべきことなのであった!!


 


 


問題2 、かつ、α>0とするとき、ある自然数Nが存在し、n≧Nである全ての自然数nについて、


  


であることを示せ。


【解答例】


だから任意のε>0に対して、ある自然数Nが存在して


  


である。


ε>0は任意なので、にすると、


  


を満たす自然数Nが存在する。


よって、このとき、


  


(解答終)


 


細かいヒトは、


  


ではなく、「すべての」、「任意の」を表す「全称記号」∀をつけて


  


としたりするにゃ。


 


類題 、かつ、α≠0とするとき、ある自然数Nが存在し、n≧Nである全ての自然数nについて、


  


であることを示せ。


 



 


 


問題3 数列が収束するとき、は有界である、


すなわち、


  


である実数Mが存在する。


このことを利用して、極限の公式


  


を証明せよ。


【解答例】


であるとき


  


だから、


  


また、とすると、だから、


  


となり、


  


 


次に、少なくとも1つである項が存在するとする。


数列は収束するので有界である。


つまり、


  


となる実数M>0が存在する。


また、であるから、


任意のε>0に対して、ある自然数N₁N₂が存在し


   


が成り立つ。


よって、とすると、


任意のε>0に対して、n≧Nならば


  


となるので、


  


したがって、


  


である。


(解答例終)


 


(M+α)=0だと


  


となって、


  


という条件を満たさなくなるので、塩梅が悪いにゃ。


そこで、


そうならないように、


  


とそうでない場合に分けたケロ。


 


突っ込まれないようにこう書いたけれど、


  


を満たす実数Mの上限、


  


である必要は必ずしもないから、上の部分は要らな言っちゃ〜要らない。


 


てなわけで、


こういうことを踏まえて、


「数列は収束するので有界である。


つまり、


  


となる実数M>0が存在する」


とすればいいんだウサ。


 



 


実は、みんなの幸せを願う「ウサギ」のネムネコでした。