放射性崩壊


 


放射性崩壊とは、不安定な原子核が、α線(ヘリウムの原子核)、β線(高速の電子)、γ線(X線よりも波長い、つまり、X線よりも大きいエネルギーをもつ電磁波)などを放出し、安定した原子になる減少をいう。


そして、放射性崩壊は、原子核の崩壊によって放出する粒子の違いによって、次の3つに分類される。


 


アルファ崩壊


陽子2つと中性子2つからなるヘリウムの原子核、つまり、α線を放出する崩壊で、これにより、原子番号が2、質量数(陽子と中性子の和)が4小さな原子になるもの。


 


ベータ崩壊


原子核を構成する、電気的に中性な中性子が陽子と電子、さらに、反電子ニュートリノに崩壊し、β線が発生する。この崩壊によって、原子は、質量数は変わらないが、原子番号が1つ大きな原子になる。


 


ガンマ崩壊


X線より波長が短く、高エネルギーの電磁波を放出する現象で、質量数と原子番号は変化しない。


 


中性子nは、正の電気量をもつ陽子p⁺と負の電気量をもった電子e⁻、さらに反電子ニュートリノなどが結合したものだと考えるといいにゃ。


 


これをβ⁻崩壊といい、


 


β⁺崩壊という。ここで、は電子ニュートリノを表す。反電子ニュートリノは、電子ニュートリノの反物質、反粒子だにゃ。


 


反物質で体が構成されているといえば、宇宙戦艦ヤマトのテレサだケロ♪


 



 


ddt³さんが、きっと、これよりも詳しい説明をしてくれると思うので、期待して待つといいにゃ。


 


今日の新聞記事に、福島第一原子力発電所の事故により放出された、セシウムの放射性同位が地表や地中に存在し、除染が進んでいないという内容の記事があった。


 


セシウムの放射性同位体には、質量数(原子核の陽子と中性子の和)が135のセシウム135、質量数が137のセシウム137があって、セシウムの放射性同位体は一般的にベータ崩壊をする。


したがって、セシウム135は、


 


と、原子番号が1つ大きなバリウム(Ba)に変化し、ベータ線e⁻を放出することになる。そして、セシウム135の半減期(放射性物質の量が半分になる時間)は約2年。


基準になる時刻の放射性物質の質量をm₀、半減期τとすると、それから時間がtだけ経過すると、放射性物質の質量は、


 


または、


 


になる。


というわけで、


福島第一原子力発電所の事故から約8年経過しているので、この事故によって原子炉から自然界に放出されたセシウム135の量は、


 


と、事故直後の1/16になっていることになる。


 


一方、セシウム137の半減期は30年と、セシウム135よりも長いんだケロ。


したがって、福島第一原子力発電所から放出されたセシウム137は、


 


と、事故直後から17%しか減っていないことなるんだにゃ。ただ、地表や地中にあるだけならばまだしも、植物は水や地中の養分としてセシウム137を取り込み、この植物をイノシシなどの動物が食べて、その結果、その体内でセシウム137がますます濃縮されてしまう。厄介なんだケロよ。


 


ただ皮肉なもので、チェルノブイリ原発の周辺は、深刻な放射性物質の汚染地域でありながら、人間がいなくなったので、現在、野生動物の楽園になっている。


だ・か・ら、人間という存在のほうが高濃度の放射性物質よりも生態系を破壊していると言い換えることができるのかもしれない。


 


 事故から30年、チェルノブイリが動物の楽園に
 https://goo.gl/eGwyEv


 



 


ひょっとしたら、コッチらの動画のほうが近いのかもしれないが・・・。


 



 


ここは数学のブログなので、お前ら、次の微分方程式


 


を、t=0のときm=m₀の初期条件で解くにゃ。


そして、この結果を元に、


 


という公式を導き、半減期τと減衰定数kとの関係を導け。