第6回 条件命題と真理集合
たとえば、
「xは3の倍数である」
「x+1は5より大きい」
という文があるとする。
この文には変数xが含まれていて、xの値によって真偽が定まるので、このままでは、[xは3の倍数である」、「x+1は5より大きい」という文は命題ではない。
このように、変数を含み、変数xの値によって真偽が定まる文p(x)を条件命題といい、条件命題p(x)を真とする集合を
で表し、これを条件命題p(x)の真理集合という。
条件命題p(x)、真理集合P={x|p(x)}を考える場合、変数xの値として考えうる値の全体、すなわち、xの全体集合Uを定める必要がある。
何故ならば、たとえば、条件命題
の真理集合
とし、xの全体集合Uを実数全体の集合とする場合、x²+1=0を満たす実数xは存在しないので、
となり、xの全体集合Uを複素数にした場合、
となり、真理集合Pが異なるためである。
問1 全体集合UがU={x|−2≦x<5、かつ、xは整数}のとき、
とする。このとき、次の条件命題の真理集合を求めよ。
【解】
(1) xを実数とするとき、p(x)かつq(x)を満たすxは、連立不等式
の解である。
したがって、この解は2<x≦3。
また、全体集合Uは{x|−2≦x<5、かつ、xは整数}なので、真理集合は{3}である。
(2)
(3)
全体集合{x|−2≦x<5、かつ、xは整数}なので、これを満たすxは{−2,−1,3,4}。したがって、真理集合は{−2,−1,3,4}。
(解答終)
問題が難しいというよりも、解答の書き方に困ってしまうという意味で、これは難問だね(^^ゞ
(註)
「x>3またはx>2」は「x>2」になる。
問2 次の条件命題の心理集合を求め、真理集合を図示せよ。
(1) 1<x+y<3、ただし、x,yは実数
(2) 4<x²+y²<9、ただし、x,yは自然数
【解答】
(1) 求める真理集合は
であるから、座標平面上で2つの直線x+1y=1とx+y=4の間に挟まれた部分。
(2) 求める真理集合は
だから、座標平面上で原点を中心とする半径2の円x²+y²=2²と半径3の円x²+y²=3²の間にはさまれた部分で、座標がともに自然数となる点なので、
である。
(解答終)
問3 A={x|x>1}、B={x|x<2}とするとき、次の条件命題の真理集合をA、Bを用いて表わせ。
(1) 条件命題(x−1)(x−2)<0
(2) 条件命題(x−1)(x−2)≧0
【解答】
(解答終)