第5回 恒真命題と恒偽命題


 


§1 恒真命題と恒偽命題


 


命題a⇒bは、abの命題の真偽によって真にも儀にもなるが、(a∧b)⇒aや、a⇒(a∨b)などは、abの真偽にかかわらず常に真である(下表参照)。


 



 


このように、ある複合命題が、それを構成する命題abc・・・の真偽にかかわらずつねに真であるとき、その複合命題は恒真である、または、恒真命題といい、記号Iで表すことにする。


また、複合命題を構成する命題abc・・・の真偽にかかわらずつねに偽であるとき、その複合命題は恒偽である、または、恒偽命題といい、記号Oで表す。


 


恒真命題と恒偽命題の定義から次の関係が成立する。


 


 


§2 同一律と排中律


 


 






a







a⇒a









T




F




T




T






F




T




T




T






 


上の真偽表より明らかなように、同一律と排中律はともに恒真命題である。すなわち、


 


である。


また、a⇒aは、


 


と変形できるので、同一律と排中律は同じものと考えることができる。


 


§3 矛盾律と矛盾


 


 


だから、


 


したがって、は恒偽命題である。


また、命題aと命題bがともに真であることができない、すなわち、


 


であるとき、命題ab矛盾するという。


 


 


§3 恒真命題と恒偽命題の演算規則


 


aを任意の命題とするとき、恒真命題Iと恒偽命題Oについては次の関係が成り立つ。


 


 


 


問1 abcを命題とする。次の問に答えよ。


(1)、a∧bが矛盾すること、つまり、


 


であることを示せ。


(2) 2つの命題は矛盾するか答えよ。


【解】


(1)


 


よって、矛盾しない。


(2)


 


よって、矛盾しない。


(解答終)


 


 


問2 次の等式を証明せよ。


 


【解】


 


(解答終)


 


(2)、(3)は吸収法則



の証明になる。


 


 


問3 次の複合命題が恒真命題であることを示せ。



【解】



(解答終)


 


 

問4 次の等式を証明せよ。


 


【略解】


 


または、


 


(解答終)


 


問5 次の命題が恒真命題であることを示せ。

 

【解】

 

(解答終)