加法的関数


 


次の関係式を満たす関数を加法的関数(加法的写像)という。


  


この最も代表的な関数は、


  


である。


 


問題1


fを実数全体の集合R上で連続とする。任意のx,y∈Rに対して


  


を満たせば、ff(x)=f(1)xであらわせることを示せ。


【解答】


条件から、xを実数とすると、


  


が成り立つ。


同様に、


  


が成立する。


特にx=0のとき、任意の自然数nに対して


  


が成立するので、f(0)=0である。


また、


  


である。


pを自然数とし、x=pとすると、


  


また、qを自然数とすると、


  


したがって、


  


になる。


よって、x=p/qとおくと、


  


となり、全ての有理数xに対して、


  


無理数xに収束する有理数の数列を選ぶと、fR上で連続なので、


  


が成立する(※)。


したがって、


  


である。


(解答終)


 


(※) 定理


関数fが点aで連続であることの必要十分条件は、aに収束する任意の数列に対してとなることである。


 https://nekodamashi-math.blog.so-net.ne.jp/2018-11-29-6


 


というわけで、加法的関数fが連続であれば、


  


という形の関数に必ずなる。


 


類題1


fを実数全体の集合R上で連続とする。任意のx,y∈Rに対して


  


を満たし、かつ、fx=0で連続ならば、ff(x)=f(1)xの形であらわせること示せ。


【ヒント】


任意のxについて


  
 

 


類題2(連続な乗法的関数)


fR上で連続な関数とする。任意の実数x,yに対して


  


を満たすとき、fはどのような関数になるか。


 


f(x)=0f(x)=1という定数関数や指数関数f(x+y)=f(x)f(y)を満たすのは明らかだが(^^)


 


fRで微分可能ならば、yをひとまず固定し、両辺をxで微分((・・?)すると、


  


x=0を代入すると、


  


f'(0)=cとおき、さらに、yxにすり替える。


  


x=0のとき、f(0)=0だから、


  


とか解けるんじゃないか。


オレは、高校の受験参考書などにに載っているこういう解法は大嫌いだけれど!!


 


 


問題2


関数fが、任意の実数x,yに対し、


  


を満たし、f(0)=0かつfx=0で連続ならば、fRで連続であることを示せ。


【解答】


f(x+y)≦f(x)+f(y)であるから、


  


また、


  


ここで、z=x−yとおくと、


  


になる。


ここで、zをあらためてxにおくと、


  


となり、(1)式とあわせると、


  


fは点0で連続なので、


  


したがって、ハサミ打ちの定理より


  


となり、fRで連続である。


(解答終)


 


 


類題3


Rで定義されている関数fが、すべてのxyに対して、


  


を満たすとき、f(0)=0でかつx=0で微分可能ならば、R上で微分可能であることを示せ。


【ヒント】


fは、x=0で微分可能なのだから、x=0で連続である。


したがって、(2)式をそのまま利用でき、


f(0)=0という条件から、


  


これをy≠0で割り、y→0の極限をとり、ハサミ打ちの定理を使うと・・・。


y<0のとき、yで割ると、不等式の不等号の向きが逆になることに注意!!