独立試行の確率の補充問題


 


独立試行の確率


1回の施行で、事象Aの起こる確率をpとする。この施行をn回繰り返すとき、事象Ak回起こる確率は


  


 


独立試行で最大確率の場合の回数


1回の施行で事象Aの起きる確率をpとするとき、n回の施行のうちで事象Ar回起きる確率が最も大きいとすれば、次の不等式が成り立つ。


  


 


 


問題1 1つのさいころを5回投げるとき、


(1) 4の目が3回出る確率求めよ。


(2) 4の目が3回以上出る確率を求めよ。


【略解】


4の目がk回出る確率をと表すことにする。



 


(解答終)


 


 


類題 1つのさいころを3回投げるとき、次の確率を求めよ。


(1) 1の目がまったく出ない確率


(2) 1の目が1回出る確率


(3) 1の目が2回以上出る確率。


【略解】


1の目がk回出る確率をで表すことにする。



(略解終)


 


1の目が2回以上でる事象の余事象は、1の目がまったく出ない、または、1の目が1回出る事象なので、余事象の確率を使い次のように求めることもできる。



 


 


問題2 ABが互いに1つのさいころを投げて、最初に2の目を出したものを勝ちとする。Aから始めるとき、


(1) Aが勝つ確率を求めよ。


(2) Bの勝つ確率はAと同じと言えるか。


 


【解答】


(1) nを正の整数とするとき、Aから交互にコインを振ってA2n−1回目に勝つのは、2n−2回目まで2以外の目が出て、2n−1回目に2のさいころの目が出るとき。


このときの確率は


  


よって、Aが勝つ確率は


  


 


 


(2) Bの勝つ確率は


  


なので、Aの勝つ確率と同じではない。


(解答終)


 


類題 袋の中から1から10までの番号を書いた札が1つずつ入れてある。いまAB2人がAからはじめて交互に1枚ずつ札を取り出し、先に1の番号の札を出したものを勝ちとする。取った札は必ず元に戻すことにすれば、ABが勝つ確率はいくつか。


【略解】


Aが勝つ確率は


  


Bが勝つ確率は


  


(略解終)


 


 


問題3 さいころを振って、偶数の目が出たらそのたびにもう1回振り、奇数の目が出たらそこで止めるものとし、k回でやめとなればk円もらえるものとする。最大回nまで振るものとし、その期待金額をとするとき、を求めよ。


【解】


k回でやめになる確率をとすると、これはk−1回連続で偶数が出て、k回目に奇数が出る事象の確率になるので、


  


よって、期待金額


  


両辺を1/2倍すると


  


①と②の差をとると、


  


よって、


  


(解答終)


 


問題4 さいころを50回投げるとき、5の目が何回出る確率が最も大きいか。


【解】


n=50p=1/6、5の目が出る確率が最大となる回数をrとすると、(2)より


  


よって、8回


(解答終)


 


類題 硬貨を100回投げるとき、表が何回出る確率が最も大きいか。


【解】


p=1/2n=100、表の出る確率が最大である回数rとすると、


  


よって。50回


(解答終)


 


 


問題5 さいころをn回振るとき、少なくとも1回6の目が出る確率が0.9より大きくなるか。ただし、log₁₀2=0.3010log₁₀3=0.4771とする。


【解】


題意より、


  


両辺の常用対数をとると、


  


ここで、


  


よって、


  


したがって、


  


よって、n=13回。


(解答終)