第5回 合成積のラプラス変換とその応用


 


 


f(t)g(t)を区分的に連続な関数とするとき、


  


f(t)g(t)の合成積といい、記号であらわす。


   


無証明で次の定理を。


 


定理(合成積)


関数f(t)g(t)が区分的に連続で指数位数な関数ならば、次の関係が成り立つ。


  


 


上の定理から、次のことは明らかであろう。


  


 


 


問1 f(t)t≧0で定義された連続関数であるとき、次の微分方程式を解け。


  


【解】


とおき、微分方程式の両辺のラプラス変換をとると、


  


これをY(s)について解くと、


  


この両辺をラプラス逆変換すれば、


    


(解答終)


 


【別解】


微分方程式の両辺にをかけると、


  


両辺を積分すると、


  


(解答終)


 


 


問2 次の(積分)方程式を解け。



【解】


(1) 両辺をラプラス変換すると、


  


Y(s)について解くと、


  


両辺を逆ラプラス変換すると、


  


 


(2) 両辺をラプラス変換すると、


  


両辺の逆ラプラス変換をとると、


  


(解答終)


 


 


問3 次の方程式を解け。


  


【解】


両辺のラプラス変換をとると、


  


Y(s)について解くと、


  


両辺の逆ラプラス変換をとると、


  


(解答終)


 


【別解】


u=t−τとおくと、


  


なので、


  


よって、微分方程式は


  


となる。


よって、t=0のとき、


  


また、①の両辺をtで微分すると、


  


①から


  


だから、これを②に代入すると


  


両辺にをかけると、


  


よって、


  


(解答終)


 


【別解2」


①の両辺にをかけると、


  


ここで、


  


とおくと、


  


両辺にをかけると


  


両辺をtで微分すると、


  


(解答終)