ワンポイントゼミ 2次曲線の標準化


 


§1 O-xy座標系を回転させたO-x'y'座標系


 


O-xy座標系を原点を中心に反時計回りにθ回転させたO-x'y'座標系があるとする。


O-xy座標系の基本ベクトルはを原点Oを中心にθ回転させるとその像は


  


である。


そして、このO-x'y'座標系の基本ベクトルである。


 


この平面上の点PO-xy座標系における座標を(x,y)O-x'y'座標系における座標を(x',y')とすると、


  


(1)式より


  


となる。


したがって、


  


また、(3)から


  


という関係を得られる。


 


(3)は、O-x'y'座標系からO-xy座標系への座標変換の式であり、(4)はO-xy座標系からO-x'y'座標系への座標変換の式である。


 


ところで、(x,y)を原点周りにθ回転させたときの1次変換の式は


  


(3)と(5)、あるいは(4)と(5)は、非常に似ているので、それだけに要注意である。


 


 


§2 2次曲線の標準化


 


2次曲線


  


を、座標変換によって


  


の形に変形することを2次曲線の標準化という。


 


さてさて、(6)式は行列を用いると、次のように書き換えることができる。


  


O-xy座標系を原点を中心にθ回転させた座標系をO-XY座標系とする。


  


とおくと、


  


よって、(8)式は


  


となる。


そして、行列の対角化によって


  


とできるならば(補足)、


  


と、2次曲線の標準化を行うことができる。


 


つまり、これは、行列のAの相異なる固有値αβ、そして、それに対応する固有ベクトルを求めれる、Aの固有値問題になる。


 


問 2次曲線x²+xy+y²=1を標準化せよ。


【解】


とおくと、Aの固有方程式は


  


k=3/2のときは、


  


したがって、固有ベクトルは


  


である。


k=1/2のとき、


  


よって、このときの固有ベクトルは


  


 


固有ベクトルを規格化し、


  


を基底とする座標系O=x'y'を設定すると、O-xy座標系の座標との間には、


  


という関係がある。


 ――O-x'y'座標系は、O-xy座標系を原点Oを中心に反時計方向にθ=45°させたものになっている――


これをx²+xy+y²=1に代入すると、


  


よって、x²+xy+y²=1


  


である。


(解答終)


 


α=3/2β=1/2とした時の形にちゃんとなっているだろう。


 


(補足)