第19回 ひずみテンソルと応力テンソルの関係


 


§1 ひずみテンソルと応力テンソルの関係


 


弾性体が変形し、その相対的な変位がvであるとする。このとき、ひずみテンソルΦの成分は


  


となる。


等方的な弾性体では、応力テンソルΨとひずみテンソルΦの主軸は同じと考えられるので、ΦΨの共通な主軸の方向の長さ1のベクトルをabcとする。ひずみテンソルの主値と応力テンソルの主値をそれぞれε₁ε₂ε₃σ₁σ₂σ₃としたとき、


  


という関係が成り立つものとする。


等方的なので、


  


と考えられので、(1)式を


  


と変形することができる。


ここで、


  


とすれば、(2)式は


  


また、


  


は不変量で、体積膨張率である。


したがって、


  


である。


同様に、


  


つまり、


  


である。


このλμLamé(ラメ)の定数と呼ぶ。


また、応力テンソルΨ


  


これに(3)式を代入すると、


  


単位テンソルをIとすると、


  


また、


  


だから、


  


ひずみテンソルの成分を、応力テンソルの成分をとすると


  


となる。


 


テンソル積と単位テンソルを行列で表すと、


   


だから、


  


また、


  


 


 


§2 弾性体の釣り合い


 


弾性体内の各点の密度ρに比例した力ρKが単位体積あたりに働いているとする。さらに、弾性体の変形にともなう応力テンソルをΨとする。


弾性体内の任意の領域をVとし、その表面をSSの外法線ベクトルをnとする。


このとき、力の釣り合いは


  


(テンソルの)ガウスの発散定理から


  


Vは任意に選べるので、


  


となる。


これが弾性体の釣り合いの方程式である。


Kの成分をΨの成分をとすると、


  


 


特に、K=0のとき、


  


つまり、


  


である。


弾性体が等方的であるとき、


  


となるので、よって、(6)式は


  


となる。