材料力学のお話2


 


Δx₁Δx₂の微小要素を考える。


このとき、直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルTの成分


  


となる。


直交座標系O-x₁x₂を原点Oを中心に反時計回りにθ回転させた直交座標をO-x'₁x'₂をとすると、x'₁軸、x'₂軸の方向余弦は


  


だから、


  


とおくと、座標系の変換によって応力テンソルの変換式は


  


となる。


したがって、


  


になる。


 


問1 直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルが


  


であるとする。


原点を中心に座標軸を反時計回りにθ回転させたたとき、応力テンソルの成分はどのようになるか。


【解】


  


(解答終)


 


問2 直交座標系O-x₁x₂に関する応力テンソルが


  


であるとする。


原点を中心に座標軸を反時計回りに45°回転させたたとき、応力テンソルの成分はどのようになるか。


【解】


  


(解答終)


 


問2のように、単純せん断応力の場合、軸を45°回転すると、応力テンソルからせん断応力を消すことができる。


 


のとき、応力テンソルの成分は


  


したがって、となるように、


  


θをとれば、は応力テンソルの主応力(主値)になる。


また、主応力は、次のように、行列(テンソル)の固有方程式を解くことによて求めることができる。


  


よって、主応力をσ₁σ₂とすると、


  


となる。


 


せん断応力の絶対値が最大になるとき、その最大せん断応力主せん断応力)といい、主応力σ₁σ₂を用いると、


  


で与えられる。


 


問3 σ₁₁=2+√2σ₂₂=2−√2σ₁₂=√2のとき、主応力とその方向を求めよ。また、最大せん断応力を求めよ。


【解】


(6)より、


  


また、主応力は(7)より


  


よって、(8)より最大せん断応力は


  


である。


(解答終)


O-x₁x₂に対し角度θだけ傾いている(仮想的な)断面に作用する垂直応力σ'とせん断応力τ'は、この断面の垂直なベクトル、すなわち、法線ベクトル(直交座標系O-x'₁x'₂での成分であることに注意!!)


  


に、(3)〜(5)で与えられる成分をもつ応力テンソルを作用させることにより、次のように求めることができる。


  


このθを消去すると、


  


これをモールの応力円という。


 


問3の場合、モールの応力円は


  


となり、これを用いて、主応力、最大せん断応力を求めることもできる。