第17回 ひずみテンソル


 


固体内の1点Pが外力を受けてP'に移動したとする。



とおき、点Pの座標をとすると、vの関数になる。


また、点Pの近くの点Qの座標をとし、外力を受けて点QQ'に移動したとする。


  


とすれば、


  


だから、点Pに対する点Qの相対的な変位は


  


となる。


vの成分をとし、2次の項を無視すると、


  


はテンソルの成分だから、とおくと、(1)式は


  


テンソル


  


と対称テンソル、交代テンソルを用いて


  


とすると、相対的変位は


  


となる。


は交代テンソルだから


  


とおくと、はベクトルの成分となり、これを成分とするベクトルをwとすれば、


  


よって、(2)式の右辺第1項は変位に伴う純粋な歪をあらわし、第2項はのまわりを回転する起きる変位と考えることができる。したがって、歪は対称テンソルで表されると考えられる。


これを行列で表わせば、


  


である。


 


は対称テンソル。その主方向を歪の主方向といい、その成分を係数とするテンソル2次曲面


  


をひずみの2次曲面という。ひずみテンソルの主値をとし、座標軸の方向を主方向にとるとき、ひずみテンソルの成分は


  


になる。


 


また、ひずみを表すテンソルが対称テンソルであるとき、


  


であるから、このとき、


  


となるポテンシャルφが存在する。


このとき、ひずみテンソルの成分は、


  


となり、このφひずみポテンシャルという。


 


問 直交座標系O-xyzにおいて、ひずみポテンシャルφ


  


であるとき、O-xyzに関するひずみテンソルを求めよ。


【解】


  


したがって、ひずみテンソルは