ベクトル関数の偏微分


 


ベクトルAが2つのスカラーの関数、すなわち、A=A(u,v)であるとする。


2変数のベクトル関数A(u,v)の偏導関数を


  


で定義する。


A(u,v)x成分、y成分、z成分をとすると、


  


である。


 


問 ベクトル関数の偏導関数を求めよ。


【解】


Ax成分、y成分、z成分をとすると、


  


だから、


  


したがって、


  


(解答終)


 


なんとも見づらいので、ベクトル表示で次のようにしたほうがいいのだろう。


  


 


uvの微小変化ΔuΔvに対して


  


になるとすれば、ΔuΔvdudvであらわし、


  


A全微分という。


そして、uvtの関数、すなわち、u=u(t)v=v(t)のとき、実関数のときと同様にチェーンルールが成立し


  


である。


また、uvstの関数、すなわち、u=u(s,t)v=v(s,t)のとき


  


である。


 


曲面の方程式は、スカラー変数、uvを用いれば、


  


であるから、曲面上の任意の点P(x,y,z)の位置ベクトルをとすれば、曲面は


  


で表される。これを曲面のベクトル方程式という。


vを一定としuを変化させれば、rは曲面上の曲線をあらわす。これをu曲線という。また、uを一定にしvを変化させれば、rは曲面上の曲線をあらわす。これをv曲線という。偏微分係数の定義よりあきらかなように、u曲線の接線ベクトルであり、v曲線の接線ベクトルである。


また、uvが変数tの関数であるときには、は曲面上の曲線をあらわす。曲面上の点Pにおける接線ベクトルは


  


したがって、Pを通る曲面上の曲線の接線は、が定める平面上にある。この平面を点Pにおける接平面といい、Pを通り接平面に垂直な直線を法線、Pを始点とし接平面に垂直なベクトルを法線ベクトルという。したがって、


  


法線ベクトルである。


 


問2 曲面z=1–x²–2y の点(1,1,−2)における接平面を求めよ。


【解】


x=uy=vとおくと、z=1–u²–2v。よって、曲面上の点の位置ベクトルは


  


だから、


  


法線ベクトルn


  


(1,1,−2)のときu=x=1v=y=1だから、(1,1,−2)における法線ベクトルn


  


したがって、曲面z=1–x²–2y の点(1,1,−2)における接平面の方程式は


  


(解答終了)


 


曲面z=f(x,y)上の点P(x₀,y₀,z₀)における接平面の方程式は


  


である。


これを使うのならば、


  


となるので、接平面の方程式は