無限大、無限小とランダウ記号


 


§1 関数の無限大、無限小


aを実数または±∞とする。ならば、x→aのときf(x)無限小であるという。ならばx→aのときf(x)無限大であるという。


 


関数f(x)g(x)が点aで無限小のとき、


  


という。


 


例1


f(x)=x²,g(x)=xとすると、x→0のとき



だから、f(x)g(x)より高位の無限小。


f(x)=sinxg(x)=xとすると、



だから、f(x)g(x)と同位の無限小。


f(x)=xg(x)=x²とすると、


  


だから、f(x)g(x)より低位の無限小。


 


関数f(x)g(x)が点aで無限大のとき、


  


という。





例2


f(x)=logxg(x)=xとすると、


  


だから、logxxよりも低位の無限大。


g(x)=xとすると、


  


だから、xよりも高位の無限大。





問 次のことを示せ。



[解答(?)]


ロピタルの定理より


  


[解答(?)終了]


 


 


§2 ランダウの記号


 


x→aのとき、f(x)/g(x)が無限小、つまり、


  


のとき、


  


で表す。この記号o(g(x))ランダウ記号oランダウのスモール・オー)という。特に、のとき


  


と定める。


 


例3 f(x)=sinxは、x→0ならばf(x)→0だから


  


また、f(x)=x²g(x)=xとすると、x→0のとき、


  


だから、


  


しかし、f(x)=xg(x)=x²のとき、


  


だから、ではない。


つまり、


  


は、一般に成立しない。


 


 


x→aのときに、f(x)/g(x)が有界にとどまるならば、これを


  


で表す。(Oランダウのビッグ・オーという)


特に、


  


のとき、


  


である。


 


例4


x→0のとき、


  


だから、


  


また、x0に限りなく近いとき(ただし、x≠0


  


だから、有界。


よって、


  


である。


 


ラウンダウ記号にはスモール・オーoとビッグ・オーOの2種類があるのだが、以降、スモール・オーo、つまり、o(g(x))をランダウ記号と呼ぶことにする。