第62回 複素数関数の2次元流れへの応用
平面上の点(x,y)における流体の速度ベクトル
が成立する。
密度ρが一定のとき、連続の式は
さらに、流れが渦なしの条件
ここで、
つまり、
Ψ=一定の曲線の勾配(Ψ=一定の曲線の法線ベクトル)は
となり、Ψ=一定の曲線は速度ベクトルと平行である。
つまり、Ψ=一定の曲線は流線である。例1 一様な流れ
複素速度ポテンシャルが
また、
例2
複素速度ポテンシャルが
そして、複素速度は
したがって、流線の方程式は
ということになる。
――流れ関数Ψ=2xy=一定の曲線と上で求めた流線の方程式は一致していることがわかる!!――
流線の接線は流れの速度の方向と同じなので、この流れはx軸とy軸を壁とする流れを表している。
例3
また、
速度ベクトルの大きさは
また、原点を中心とする半径Rの円Cに流れ込み、そして、流出してゆく量、湧出量Qは、
m>0のときは吹き出し、m<0のときは吸い込みである。
流線(流れ関数Ψ=一定)上の点をPとすれば、∠OPa=θ₁−θ₂=一定だから、流線は原点Oと点aを通る円弧となる。
また、等ポテンシャル線はr₁/r₂が一定だからアポロニウスの円である。また、