第61回 2次元のベクトル場
成分(u,v)のベクトル関数Aが平面上の各点(x,y)に対応しているとする。
また、平面上の基本単位ベクトルをi、j、この平面に垂直な基本単位ベクトルをkとする。このとき、ベクトル場Aから次のスカラー場とベクトル場が定義される。
さらに、スカラー場φが与えられているとき、次のベクトル場が定義される。
問1
ベクトル関数Aのx成分、y成分をそれぞれu、vとすると、
問2 次の問いに答えよ。
(1) 次の等式が成立すことを示せ。
【解】
(1)
(2)
(解答終了)
点(x,y)の位置ベクトルをrであらわせば、平面上の曲線はパラメータtのベクトル関数r=r(t)で、その接線ベクトルは微分drで表される。すなわち
かりに、ベクトル場
おそらく、何を書いてあるかわからないと思うので、ベクトル解析の故郷というべき流体力学を例に説明することにする。
ぱっと一本、曲線を引く。この曲線上のすべての点における接線(の方向ベクトル)が、運よく、たまたま、曲線上のすべての点で、その点における風向き、流れの向きと平行であるとき、この曲線を流線という。
流れの速度ベクトルの成分を(u,v)とすると、この曲線、流線の方程式は
恒等的にrot A=0が成立するベクトル場Aを非回転、渦なしという。
何故ならば、閉曲線Cで囲まれた領域をDとすると、グリーンの定理(ストークスの定理)より
そこで、
A=grad φであるとき、φをAのポテンシャルという。φ=c(一定)の曲線を等ポテンシャル線(3次元ならば等ポテンシャル面、曲線)という。等ポテンシャル線φ=cをパラメータtで
である。したがって、φの勾配grad φと等ポテンシャル線φ=cとは直交する。
何故ならば、
また、div A=0となるベクトル場を管状場という。
管状場でかつ渦なし場のとき、