微分方程式の整級数解2


 


2階線形微分方程式



において、P(x)Q(x)R(x)が点aで解析的なとき、点a通常点という。


そして、通常点では次の定理が成り立つ。


 


定理


2階線形微分方程式


 


において、P(x)Q(x)R(x)が点aでならば、初期条件


 


を満たす整級数解


 


がただ一つ存在する。


 


問1 次の微分方程式のx=0まわりの整級数解を求めよ。


  


【解】


とすると、


  


これらを微分方程式に代入すると、


  


また、


  


だから、


  


よって、


  


ゆえに、


  


初期条件からy(0)=a₀=1y'(0)=a₁=0となるので、


  


よって、


  


(解答終)


 


問の微分方程式の解は、


  


であり、


  


とマクローリン展開されるので、


  


となり、問1で求めた整級数解と一致する。


 


 


問2 次の微分方程式の解を求めよ。


  


【解】


【解】


  


とし、項別微分が可能であるとする。


  


だから、これを微分方程式に代入すると、


  


これがすべてのxについて成立するから、の係数はすべて0でなければならない。


  


また、初期条件より


  


したがって、


  


nが奇数のとき、すなわち、n=2m+1m=0,1,2,・・・)のとき、


  


nが偶数のとき、すなわち、n=2mのとき


  


よって、


  


したがって、


  


(解答終)


 


問2のように、不定積分を用いた求積法では解が求めにくい微分方程式の解を整級数解で求められることがある。