関数の定義域の一点で微分可能であるが、それ以外の定義域の点すべてで不連続な関数の一例。


  


このとき、f(x)は、x=0で微分可能で連続であるが、それ以外の点すべてで連続でない。


 


x=0で微分可能であることは、例えば、次のように証明されるだろう。


 


x≠0とする。


xが有理数のとき


  


xが無理数のとき


  


いずれにせよ、


  


よって、


  


x=0f(x)は微分可能なのだから、f(x)x=0で連続である。


 


ε-δ論法がよければ、(1)のところを次のようにすればいいだろう。


 


任意の正数ε>0に対してδ=ε>0にとれば、


  


 


x=0以外で連続でないことを証明するのは、例えば、次のようにすればいいだろう。


a≠0とする。


  


とすると、どんなδ>0をとっても


  


であるxが存在する(下図参照)。





何故ならば、δ>0をどんなに小さくしても、aが有理数、xが無理数のとき、


  


であり、aが無理数、xが有理数のとき


  


となり、(2)を成立させるxが|x–a に存在するからである。


よって、a=0以外の全ての点でf(x)は連続ではなく、微分不可能である。


 


(※)


「関数f(x)が点aで連続である」のより正確な定義は、


  


したがって、点aで連続でないは、(2)を否定した


  


である。