第14回 漸化式で表された数列の極限 連立漸化式


問題1 数列x₁=1y₁=5をもとにして

  

にしたがって作られている。このとき、およびを求めよ。

【解】

①から

  

よって、

  

③、④を②に代入すると、
  

ここで,t²−4t+3=0として、この2次方程式を解くと、

  

したがって、⑤は次のように変形できる。
  

⑥よりは初項x₂−x₁、公比3の等比数列。

したがって、

  

⑦より、数列は一定だから――初項x₂−3x₁、公比1の数列と考えてもよい――

  

x₁=1y₁=5だから、①より

  

よって、⑧、⑨から
  

⑩−⑪

  

③より

  

【解答終了】

上のように隣接3項の漸化式に変形して解くことができるけれど、実はうまい方法がある。


【別解】

+②

  

①−②

  

③より、数列は、初項x₁+y₁、公比3の等比数列だから

  

④より

  

⑤+⑥
  

⑤−⑥

  

【別解終了】


どちらが楽かは言うまでもないだろう。


この他に、

  

として行列を利用して解く方法もありますが・・・。

 


問題2

  

に対して次の問いに答えよ。

(1) nの式であらわせ。

(2) を求めよ。

【解】

(1)

  

①+②

  

①−②

  

③より

  

④より数列は初項x₁−y₁=1、公比1/3の等比数列。

  

⑤+⑥
  

⑤−⑥

  

(2)

  

(解答終了)


問題3 が次の条件を満たすとき、を求めよ。

  

【解】

  

  

より、

  

よって、
  

①より、

  

②より

  

④−③

  

で、

  

よって、

  

(解答終了)

【別解】

  

①−②

  

①−2×②

  

③、④より

  

よって、

  

(解答終了)