第13回 3重積分


2重積分と同じように、3重積分、そして、n重積分を定義することができる。基本的に同じなので、3重積分をその代表としてやりますにゃ。


閉区間で有界な関数f(x,y,z)に対して、Kの分割を細かくしたリーマン和が一定の値に収束するとき、f(x,y,z)は積分可能であるといい、その極限を
  

とあらわす。

そして、定数関数1が有界な集合上で積分可能であるとき、体積確定といい、

  

Ωの体積という。

そして、3重積分を計算するときには累次化して積分する。

定理

f(x,y,z)で連続であれば、

  


なお、

  

のことなので注意してください。

上の定理は積分領域が直方体の場合で、より一般のΩの場合は次のようになる。

f(x,y,z)
の積分領域Ωで連続とする。xy平面上の積分領域DD上の連続関数により、Ωが縦線集合

  

としてあらわせるとき、

  

さらに積分領域DD上で連続な関数によって

  

とあらわされるとき、

  

となる。
こういうふうに累次化して積分する。


何を書いてあるかわからないと思うので、問題を解いて実例を示すにゃ。


問題1

  

【解】

  

なのだけれど、これは次のように計算してよい。

  

上の右辺はただの積分の掛け算なので、累次積分と区別するために、「・」を付けたにゃ。


2重積分でも計算量が多いのに、3重積分はさらに計算量が多くなるので、大嫌いだにゃ。


問題2

  

【解】

Ωは次のように縦線集合に書き換えることができる。

  

積分領域D

  

よって、
  


3重積分は、こんな簡単なものでも、とにかく計算が大変です。