第3回 ラプラス変換の基本的性質2


 


定理(微分法則)


区間[0,∞)上の級関数f(t)が、ある2つの定数αM>0に対して


  


を満たすとき、s>αに対して


  


が成り立つ。


【証明】


R>0とすれば


  


R→∞とすれば、s>αより


  


だから、


  


(証明終)


 


これを繰り返せば、2次導関数に関して


  


が成り立つ。


同様に、n次導関数に関して


  


が得られる。


 


 


定理(積分法則)


f(t)が連続で指数位数の関数ならば


  


【証明】


とおくと、


  


また、f(t)は指数位数の関数だから


  


したがって、g(t)も指数位数の関数。


微分に関する定理を用いると、


  


(証明終)


 


 


定理


f(t)を連続で指数位数aの関数とする。ならば


  


【証明】


  


f(t)は指数位数の関数だからtf(t)も指数位数の関数となり、は存在する。


また、f(t)は連続なので積分と微分の順序交換が可能。


よって、


  


(証明終)


 


上の定理を繰り返すことによって、次の関係を得ることができる。


  


 


 


例 f(t)=1とすると、


  


である。


上の定理を使うと、


  


を得ることができる。


とすると、


  


したがって、


  


 


問 を求めよ。


【解】


  


だから


  


(解答終)


 


 


定理 f(t)が周期Tの区分的な連続関数ならば


  


【証明】


  


ここで、


  


とおくと、


  


f(t)は周期Tをもつ関数だから、すべてのnについて


  


が成立する。


よって、


  


(証明終)