お前らに質問(前進差分と後退差分)の答もどき


 


常微分方程式の初期値問題


  


の解をy=y(x)で表すことにする。


この解は


  


ですが・・・。


 


右の図を見て欲しいのですが、前進差分による微分方程式(1)の解法というのは、(1)の解曲線y=y(x)の点(x₀,y(x₀))における接線を使ってx=x₁におけるy(x₁)の値を推測するもの。


右の図では赤い色のy₁がその推測値。


 


対して、後退差分による微分方程式(1)の解法は、点(x₁,y(x₁))における解曲線y=y(x)の接線の傾きをもった点(x₀,y(x₀))を通る直線をもとに、x=x₁の値y(x₁)を推測するもの。右の図では青いy₁で示されている。


 


というわけで、解曲線y=y(x)が下に凸であれば――下に凸ならば必ず接線は曲線の下側にある――、右の図に示してあるように、前進差分を使って推測したy₁は真の値y(x₁)より小さくなる。そして、後退差分を用いて推測したy₁は真の値y(x₁)よりも大きくなるというわけ。


 


逆に、解曲線y=y(x)が上に凸であれば――下に凸ならば必ず接線は曲線の上側にある――、前進差分を使って推測したy₁は真の値y(x₁)より大きくなり。そして、後退差分を用いて推測したy₁は真の値y(x₁)よりも小さくなるんだね〜。


 


というわけで、開曲線の(局所的な)凸凹が大小関係を決定するというわけなんですね〜。


二階微分y''が存在すれば、曲線の凸凹はy''(x)の正負の符号で判定できるから、y''の符号を調べれば大小関係は判定できる!!


 


なお、この話は、計算領域で解曲線y=y(x)の凹凸が変わらないことを前提としたお話。計算領域で凹凸が変わったら通用しない議論なのでその点は注意するにゃ。


 


このことは、


前進差分


  


の漸化式からも確かめられると思うにゃ。


これは点(x₀,y₀)における接線の方程式に他ならないんだから。


一方、後退差分の漸化式


  


は、(x₁,y(x₁))におけるy=y(x)の接線の傾きと等しい傾きを持つ点(x₀,y₀)を通る直線の方程式を表しているにゃ。


 


2階微分y''は曲線y=y(x)の曲がり具合、曲率、接線(直線)とのズレ具合、離れ具合を重要なあらわす因子だから、とっても重要なものなんだケロよ。


 


なお、x₂y₂以降は、次の図のように順次計算してゆく。


 



 


 


なお、上の図はあくまで計算の仕組みを説明するための図で、実際の計算点の間隔はこの図のように大きくないので、この図のように誤差は大きくないケロ。

この点だけはくれぐれも誤解なきように!!