2階常微分方程式の境界値問題を選点法で解く2


 


問題 次の微分方程式を解け。



【答】



 


前回、この微分方程式の解を



と近似し、残差



をとし、重み関数wにディラックのデルタ関数



をとり、



となるようにを定める有限要素法の選点法を用い、選点を1/2とすることにより、



という近似解を得た。


 


しかし、こうして得た近似解の誤差が大きかったので、より精度のよい近似解を求める方法を考える。


 


そこで、(1)式を



とおくと、



となる。


このとき、



となるので、残差は



となる。


未知数がa₁a₂の2つなので、これを定めるために選点をx=1/4x=1/2に選び、その位置での残差を0とすると、




(10)と(11)から




という連立方程式が得られ、これを解くと、



となり、



という近似解が得られる。


 


計算結果を右図に示す。


(12)は(6)よりも厳密解(1)からの乖離が小さくなり、(1)の挙動をよく捉えていることが分かる。


 


(9)式の



とおくと、



と表すことができる。このψ₁ψ₂試行関数(Trial Functionと呼ぶ。


さらに、



とおくと、微分方程式は



と書くことができ、残差は



で表すことができる。


より一般に書くと、



これに重み関数をかけ、



となるように、この連立方程式(15)から、未知数を定め、微分方程式(13)の近似解を有限要素法重み付き残差法という。


この重み関数のディラックのデルタ関数



を用いるものを選点法といい、デルタ関数の性質から



になる。


n=2のとき、未知数はa₁a₂の2つだから、点をx₁x₂の2点を選び、連立方程式



を解くことによって、a₁a₂を定めることができる。


 


これが計算の仕組みというわけ。