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第11回 関数の極大と極小 [微分]

第11回 関数の極大と極小


 


Kyokuchi-graph-001.pngaを除くaの近傍の全てのxにおいてf(x)<f(a)であるとき、f(x)x=a極大であるといい、f(a)極大値という。点aを除くaの近傍の全てのxにおいてf(x)>f(a)であるとき、f(x)x=a極小であるといい、f(a)極小値という。極大値、極小値を合せて極値という。


 


定理 関数f(x)が点aで微分可能で、かつ、この点で極値をとれば、f'(a)=0である。


[証明]


f(x)が点aで極大であるとする。


f(x)が点aで極大だからf(x)<f(a)


x<aのとき、



x>aのとき、



よって、f'(a)=0である。


f(a)が極小値のときも同様。


(証明終)


 


f(x)が開区間Iで微分可能、点a∈If(x)が極値をとるとき、f'(a)=0である。


f(x)=x³x∈R)とすると、f'(x)=3x²f'(0)=0であるが、f(x)x=0で極値を取らない。つまり、上の定理の逆、「f'(a)=0ならばx=af(x)は極値をとる」は、一般に成立しない。


 


定理 関数f(x)は点aの近傍で連続、aを除く点aの近傍で微分可能とする。x=aの前後で、f'(x)>0からf'(x)<0に変化するときf(x)x=aで極大、f'(x)<0からf'(x)>0に変化するときx=aで極小である。


[証明]


x<af'(x)>0ならばf(x)は単調に増加し、x>af'(x)<0ならば単調に減少するから、x=aのとき極大でなる。


x<af'(x)<0ならばf(x)は単調に減少し、x>af'(x)>0ならば単調に増加するから、x=aのとき極小である。


(証明終)


 


y=|x|-graph-png.pngf(x)=x|はx=0で極小であるが、x=0で微分可能でないので、f'(0)は存在しない。しかし、



x=0の前後でf'(x)の符号が−から+に変じており、上の定理が成り立っていることがわかるだろう。


 


 


定理 f(x)が点aの近傍で微分可能で、かつ、f''(a)が存在するとき、



[証明]



だから、f'(x)x=aで連続であり、xaに十分近いとき、f''(a)は同符号である。


したがって、


f''(a)>0x<aのとき



f''(a)>0x>aのとき



よって、x=aの前後でf'(a)の符号が負から正に変わっていて、f(a)は極小値である。


f''(a)<0のときも同様。


(証明終)


 


f(x)が点aを含むある開区間Iで2回微分可能でf''(x)が連続であるとき、上の定理は


テーラーの定理(n=2



となるcaxの間にすくなくとも1つある


を使うと次のように証明できる。


 


xx∈Iかつx≠aである任意の点とする。


テーラーの定理とf'(a)=0より



となるcaxの間にある。


f''(x)Iで連続だから、点xと点aが十分近いとき、f''(c)f''(a)は同符号。


したがって、f''(c)>0のとき、x≠aだから



よって、f(a)は極小値である。


同様に、f''(c)<0のときf(x)<f(a)となり、f(a)は極大値である。


 


先にあげたf(x)=x³の場合、f'(x)=2x²f''(x)=6xだから、f'(0)=0f''(0)=0だから、2次導関数の符号をを用いた極値の判定は出来ない。


f(x)=x³の時のx=0のようにf'(a)=0f''(a)=0である場合、f(a)x=aで3次でテーラー展開して判定すればよい。



となることから、



になる。


3次導関数f'''(x)が点aで連続でxaが十分に近いとき、f'''(c)f'''(a)は同符号。よって、f'''(a)>0のとき、x<aならばf(x)<f(a)x>aならばf(x)>f(a)。したがって、f(x)x=aで極値を取らない。f'''(a)<0のときも同様に、f(x)x=aで極値を取らない。


このように2次より高次の導関数を用いて極値の判定を行うことが可能である。


 


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コメント 1

真壁小波

質問です。
点aで極値をとるとき、f’(a)=0となるという証明で、f(x)-f(a)/x-a>0からlimx→a-0 f(x)-f(a)/x-aで>に=がつく理由が分からないです・・・・。
>になるんじゃ無いかと思ってしまいます。
どうしてですか?
by 真壁小波 (2020-04-07 23:51) 

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