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第10回 全微分の続き [偏微分]

第10回 全微分の続き


今回する話は、まったく分からなくても、まったく問題なし。何か具体的な関数を偏微分するとき、こんなもの使いやしない。こんな細かいことを気にする必要はないケロ。


全微分の定義
領域D上で定義された関数f(x,y)Dの全ての点で全微分可能であるとき、fは全微分可能であるといい、

第10回 全微分の続き_htm_m62ec2dc2.gif

f(x,y)の全微分という。

一点(a,b)で全微分可能か、関数が定義されている定義域Dのすべての点で全微分可能か、この違いだケロ。ちなみに、

第10回 全微分の続き_htm_6191b4ea.gif

のことだにゃ。

そして、

第10回 全微分の続き_htm_abc7f.gif

のことだにゃ。

で、これは何を言っているかというと、

shiki-10-1.png

第10回 全微分の続き_htm_695fcc81.gifからすこしだけ離れた点(x,y)でのf(x,y)の値を一次式で近似できるということ。

一変数の場合は、

第10回 全微分の続き_htm_m52c8509b.gif

と接線で近似できるけれど、2変数の場合は、接平面で近似できるというわけだケロ。

 

ということで、天下り的に,接平面の定義(^^


接平面の定義

関数f(x,y)が点(a,b)で全微分可能とする。このとき、

第10回 全微分の続き_htm_m9473d73.gif

z=f(x,y)(a,b,f(a,b))における接平面という。

 

2次元から急に3次元の話になっているので申し訳ないんですが・・・。

 

で、ちょっと問題をひとつ。

 

問題 第10回 全微分の続き_htm_m5734ce92.gifで定義される

第10回 全微分の続き_htm_m4502a94e.gif

第10回 全微分の続き_htm_m5ffa0175.gifで全微分可能であることを示すケロ。

【解】

第10回 全微分の続き_htm_m7bb62be9.gif

になる。

hkの前のやつが定数になっているんだから、これは文句なく全微分可能だろ。

そして、ここでさり気なくhydxdyにすり替え、

第10回 全微分の続き_htm_6191b4ea.gif

とすれば、

第10回 全微分の続き_htm_m64413871.gif

になっているケロ。

 

でも、こんな答をテストの答案に書いたら、大学の先生は怒るかもしれない(^^ゞ


そこで、次の定理を上げることするにゃ。

定理

f(x,y)第10回 全微分の続き_htm_m6b80f288.gif級ならば、f(x,y)は全微分可能である。

 

第10回 全微分の続き_htm_m6b80f288.gif級というのは、定義域内の全ての点で(偏)微分可能で、その(偏)導関数が連続な関数のことね。

 

【証明】

証明すべきことは、

shiki-10-3.png

とするとき、

第10回 全微分の続き_htm_10079cb7.gif

になることだにゃ。

そこで、

平均値の定理より

shiki-10-4.png
となる第10回 全微分の続き_htm_333ff0b5.gifが存在する。

よって、

shiki-10-5.png

となる。

ここで、

第10回 全微分の続き_htm_mfbfa845.gif

とおくと、第10回 全微分の続き_htm_m58b29147.gifの連続性より、

第10回 全微分の続き_htm_41bf58f0.gif

よって、

第10回 全微分の続き_htm_mdf72d43.gif

よって、

第10回 全微分の続き_htm_m10b3dc1f.gif

 

みたいな証明。

普通の多変数の微分・積分で扱う関数は第10回 全微分の続き_htm_m6b80f288.gif級や、何度でも(偏)微分できて、その偏導関数が連続な第10回 全微分の続き_htm_m61da9e6c.gif級とかだから、よほど変な関数でもないかぎり、全微分可能なんだケロ。

問題として取り上げた

第10回 全微分の続き_htm_m4502a94e.gif

第10回 全微分の続き_htm_m6b80f288.gif級だから、この定理から全微分可能になる。

第10回 全微分の続き_htm_442123ee.gif

みたいな関数も第10回 全微分の続き_htm_m6b80f288.gif球だから、全微分可能になる。

だから、細かいところを気にすることなく、おおらかに行こう!!
何か変なことが起きたら、そのとき、細かいところを気にすればいいんだケロ.

 

そして、さり気なく定理をもうひとつ付け加える。


定理

f(x,y)第10回 全微分の続き_htm_m6b80f288.gif級ならば、f(x,y)は連続関数である。

第10回 全微分の続き_htm_m6b80f288.gif級ならば、全微分可能。そして、全微分可能ならば、連続。よって、この定理が成立するにゃ。




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