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第9回 全微分の定義 [偏微分]

第9回 全微分の定義

 

一変数の微分(係数)を思い出して欲しいにゃ。微分係数の定義は

第9回 全微分_htm_m10661cc4.gif

だったにゃ。

でも、これは、正確なことを言うと、微分係数の定義であって、微分の定義ではないんだケロ。

微分の定義は

第9回 全微分_htm_m3c893cb4.gif

となる定数Aが存在するとき、fx=aで微分可能という、

というのが微分の定義なんだケロ。

そして、これから

第9回 全微分_htm_7c0ccf7f.gif

となり、

第9回 全微分_htm_1ae8c108.gif

となるんだにゃ。

 

であるならば、これを2変数に拡張したいと考えるのが人情だにゃ。

そして、2変数関数の拡張すると

shiki10-1.png

となる定数ABが存在するとき、f(a,b)で微分可能というとなるのであろう。

k=0のとき、

第9回 全微分_htm_mcad7d9b.gif

h=0のとき

第9回 全微分_htm_7c61d405.gif

となることがわかるにゃ。

試しに、k=0のときは

shiki-10-2.png

となるにゃ。

 

こういうのを微分可能、全微分可能と言うんだケロ。

そして、点(a,b)で全微分可能なとき、xに関しても、yに関して偏微分可能であることがわかるケロ。

 

そして、

第9回 全微分_htm_3d6aa79b.gif

になるので、

第9回 全微分_htm_m3159476e.gif

となって、全微分可能な点(a,b)fは連続になる。

 

一変数関数のとき、fが点x=aで微分可能ならば、fx=aで連続というのをやったと思うにゃ。念のために

shiki10-3.png

ということで、全微分というのが一変数の微分の自然な拡張になっていることがわかると思うにゃ。

 

以上のことをまとめると、

f(x,y)が点(a,b)で全微分可能なとき、点(a,b)において連続で、

第9回 全微分_htm_m762aaa5e.gif

となる。

 

で、第9回 全微分_htm_2cac3404.gifとして、この定義域Dで全微分可能ならば、

第9回 全微分_htm_m3b9aea4d.gif

みたいに書くんだケロ。

これは
  
と近似できることを表しているんだにゃ。

 

で、問題をひとつ。

 

問題 次の関数は,(0,0)で全微分可能ケロか?

第9回 全微分_htm_m18fb6fb3.gif

【解】

(0,0)で全微分可能であれば、f(x,y)は点(0,0)で連続。

でも、(0,0)で連続でないから、全微分可能でない。

たぶん、何処かでやったと思うけれど、この関数は(0,0)で連続ではない。

たとえば、x=y=tとして、t→0とすれば、(x,y)→(0,0)になるけれど、

第9回 全微分_htm_2a3423a5.gif

となり、このとき、

第9回 全微分_htm_m7d6dcc0.gif

になる。

だから、fは点(0,0)で連続でないんだケロ。

 

さらに、

第9回 全微分_htm_m3ab14aa3.gif

というのを何処かでやったと思うけれど、

(0,0)で偏微分可能だから、(0,0)で連続というわけでもない。

 

今、全微分の有り難みが分からなくても、そのうちにこの有り難みがよくわかるようになるケロ。

 


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